婚活、恋愛 ハッピーエンドと思いきや… 谷崎潤一郎の「細雪」
人の結婚話や恋愛事情を聞くのは楽しい。小説も、そう。というわけで今回は谷崎潤一郎の「細雪」。4人姉妹の豊かな暮らしにため息は出るものの、婚活を巡る登場人物の思いはうなずくことばかり。谷崎を研究する甲南女子大講師、永井敦子さんがこの長編の楽しみ方を教えてくれた。【三角真理】
旧家である蒔岡(まきおか)家の4姉妹の物語。ストーリーの中心は、未婚の三女と四女の、婚活と恋愛話。周囲にやきもきされながら2人の落ち着く先は――。
テレビドラマを見るように楽しめる。特に三女雪子の婚活をめぐるやりとり。「なかなかうまくいかない雪子の心中や、雪子のために奔走する姉幸子たちの思いがありありと伝わる」と永井さん。
例えば、“お相手”に求める条件のあれこれ。収入、財産、親との距離……。見合いの待ち合わせ場所にも気を使う。前回と違う場所にするのだ。「またやってる」と周囲から見られるから。どれもこれもクスッとくるが、もし自分だったら……と思えばどれも納得する。姉の幸子も、雪子の縁談がうまくいくように、相手の容貌、酒のたしなみ具合、小さな癖……と入念に吟味する。ここまでくると、こっけいと笑えず、姉妹愛を感じる。
4人は性格も考え方も違うので、読みながら好きな人物を選ぶのも楽しい。永井さんは「この作品を読んだ時の自分の年齢や立場によっても共感する人物が変わると思う」と話す。4姉妹はこんな面々――。
悪役はいない、でも怖い エゴと嫉妬が渦巻く夏目漱石の「行人」 8/2 08:30 ミステリー、難しいと言うなかれ 江戸川乱歩の「黒蜥蜴」 6/28 08:30 脇役もカギ 人間模様からひもとくトルストイ「ハジ・ムラート」 5/30 08:30 小さな美と雄大さが相対峙 価値観を崩される太宰治「富嶽百景」 3/28 08:30 美しいだけではない 胸がザワザワ、穏やかならぬ三島由紀夫「潮騒」 2/1 08:30 奇異な世界で感じる非力さと歯がゆさ 大江健三郎「死者の奢り」 8/3 08:30 あわせて読みたい この記事の筆者 三角真理
この要約はメディアの公開フィードから5Newsが集約したものです。 文脈も含めた全文はmainichi.jpにあります — コンテンツの権利はMainichiに帰属します。