映画「この世界の片隅に」10年 監督「100年後も伝えたい」
長編アニメーション映画「この世界の片隅に」の公開から今年で10年。片渕須直監督(66)が18日、リバイバル上映されている広島市中区の映画館「八丁座」で、記念のトークイベントに登壇してファンと交流した。
原爆や戦争を作品のテーマにすることを避けていたという片渕監督は、こうの史代さんの原作に描かれた日常の細やかさに感銘し、「やらなければならない」と思い立った。2010年夏のことだ。製作のため、何度も広島に通った。
主人公は戦時下の広島と呉を生きた女性・すず。衣服や食材など生活を基軸に戦争を考える作品で、時間の経過とともに主人公の意識も戦争に染まっていく。「映画で描いたのは12年間。短い時間に人間を急速に変えてしまうのが、戦争の恐ろしさ」と言う。
10年前に完成したときは「これから先は進歩し、安心して生きられる時代になるはず」という前向きな思いがあった。今も世界で戦火はやまず、そのことすら忘れてしまいそうになる。「映画で語られていることは今も変わっていない。100年後にも見ていただきたい、伝えたい作品です」と語った。
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