常識覆す発見が有機エレキ源流に ノーベル賞の白川英樹さん死去
電気を通すプラスチックを発明し、2000年にノーベル化学賞を受賞した筑波大名誉教授の白川英樹(しらかわ・ひでき)さんが8月24日、転移性肝腫瘍と原発不明がんのため死去した。90歳。葬儀は家族で営んだ。喪主は妻知預子(ちよこ)さん。1週間ほど前から横浜市内の病院に入院していたという。
東京工業大(現・東京科学大)の助手時代に、プラスチックの一種「ポリアセチレン」が電気を通すことを発見。「プラスチックは電気を通さない絶縁体」と考えられていたが、常識を覆した。現在の有機ELディスプレーや薄くて曲がるペロブスカイト太陽電池などに応用され、有機エレクトロニクスの源流を築いた。
ポリアセチレンは当時、粉末でしか存在しなかった。発見は、留学生にポリアセチレンの実験の指導をしていた時、誤って触媒を1000倍も多く入れてしまった失敗がきっかけだった。出来上がったのは粉末ではなく、金属の光沢を放つフィルム状で、容器に張り付いていた。金属のように「電気を通すのでは」と直感した。
この成果に、後にノーベル賞を共同受賞した当時、米ペンシルベニア大教授だったアラン・マクダイアミッド氏が注目。米国に招かれて共同研究を始め、76年11月に高い導電性を持ったプラスチックの開発にこぎつけた。金属に比べ加工しやすく軽いという特徴から、スマートフォンやパソコンに不可欠な電子部品に利用され、リチウムイオン電池にも使われるなど、現代の生活に広く浸透している。
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