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全身160カ所以上が粉砕された中世の遺骨は巨大投石機「トレビュシェット」の犠牲者だった

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全身160カ所以上が粉砕された中世の遺骨は巨大投石機「トレビュシェット」の犠牲者だった

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スコットランドの スターリング城 で発見された14世紀の男性の遺骨について、巨大な石を投げ飛ばす攻城兵器「 トレビュシェット 」の攻撃を受けて死亡した可能性が極めて高いことが、骨に残された損傷の分析から明らかになりました。トレビュシェットによって死亡した人物が考古学的証拠から特定された例としては、これが初めてとみられています。 Skeleton 150 from Stirling Castle, Scotland: The First Evidence of Trebuchet Trauma in the Archaeological Record :: 25th European Paleopathology Meeting :: pretalx https://cfp.dainst.org/25th-european-ppa-meeting/talk/GHF9V8/ Shattered skeleton in Scottish castle is first confirmed death from trebuchet | Science | AAAS https://www.science.org/content/article/shattered-skeleton-scottish-castle-first-confirmed-death-trebuchet Meet the only known trebuchet casualty in history - Ars Technica https://arstechnica.com/science/2026/08/meet-the-only-known-trebuchet-casualty-in-history/ トレビュシェットは中世の攻城戦で城壁や要塞を破壊するために使われた大型の投石機です。長いアームの一端に重いおもりを取り付け、そのおもりが落下する力でアームを勢いよく回転させ、反対側のスリングに載せた石などを遠くまで投げ飛ばします。大型のものでは100kgを超える石を投射できたとされ、弓や一般的な投石器とは比較にならないほど大きな運動エネルギーを標的に与えることができました。

by Luc Viatour 問題の遺骨はスコットランド中部に位置するスターリング城で1997年に行われた発掘調査で、かつて礼拝堂があった場所の地下から発見されたものです。「Skeleton 150」と呼ばれるこの遺骨は13世紀から14世紀のものとされ、ブラッドフォード大学の生物考古学者で戦闘外傷を専門とするジョー・バックベリー氏らが詳しい分析を進めてきました。ブラッドフォード大学は2025年の時点で「CTやマイクロCTを使って砕けた骨をデジタル上で復元し、外傷を詳しく調べる研究が進められている」と説明していました。 Skeleton 150は全身の骨が異常なほど激しく破壊されているという点が大きな特徴。研究チームは167カ所の骨折を確認しており、頭蓋骨だけでも61カ所が砕け、肩や肋骨、右脚にも大規模な損傷が残っていました。特に肋骨には通常の考古学的な遺骨ではあまり見られないジグザグ状の骨折が多数あり、大きなエネルギーが胸部を通過したことを示していたとのこと。

こうした損傷から、研究チームはまず城壁から転落した可能性などを検討しました。しかし、頭部だけでなく胸部や脚まで広範囲に破壊されていることから頭から落下した場合とは一致せず、骨折の形状から馬に踏まれた可能性や埋葬後に骨が損傷した可能性も除外されました。 バックベリー氏が法医学や医学の文献を調べて似た外傷を探したところ、最も近かったのは自動車事故や列車との衝突による損傷でした。つまり、Skeleton 150は背後から高速で移動する非常に大きな物体に衝突されたと考えられます。しかし、中世のスコットランドには当然ながら自動車も列車も存在しないため、当時そのような巨大な運動エネルギーを生み出せるものとして浮上したのがトレビュシェットでした。

トレビュシェットは12世紀ごろから記録に登場し、大型のものでは100kgを超える岩を数百m先まで投げ飛ばすことができました。城壁や建物の破壊を目的とした兵器であり、人間がその投射物の直撃を受ければ極めて大きな損傷を受けると考えられます。 さらにSkeleton 150が発見されたスターリング城では、1304年にイングランド王 エドワード1世 による大規模な包囲戦が行われています。 スコットランド独立戦争 のさなかに行われたこの攻城戦では複数のトレビュシェットが投入され、その中には「War Wolf」と呼ばれる巨大なトレビュシェットも含まれていました。史料には、War Wolfの攻撃がスターリング城の石造りの防御施設を破壊したことが記録されています。

こうした歴史的背景と遺骨の損傷を合わせると、Skeleton 150は1304年の包囲戦で城を守っていた人物の遺骨であり、トレビュシェットから放たれた巨大な石の直撃を受けた可能性が高いと研究チームは考えています。ただし、Skeleton 150を死亡させた投射物がWar Wolfから発射されたものだったとまで断定できる証拠はなく、どのトレビュシェットによる攻撃だったのかは分かっていません。 トレビュシェットが城壁を破壊するほど強力な兵器だったことは文献や実験から知られていましたが、実際にその攻撃を受けた人間の身体にどのような損傷が生じるのかを示す直接的な考古学的証拠はほとんど残っていません。Skeleton 150は、中世の攻城兵器が人体に与えた破壊的な威力を骨そのものから示す極めて珍しい事例といえます。

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