経済プラス:利上げしかなかった日銀 日本の財政拡張に元IMF幹部が警鐘
日銀が18日、政策金利を1・25%程度に引き上げると決めた。日銀を巡っては、ベッセント米財務長官が8月30日に植田和男総裁と会談し、円安是正の「断固たる措置」への強い支持を伝えるなど注目を集めた。米国には日本の財政・金融政策はどう映っているのか。国際通貨基金(IMF)元副局長で、マクロ経済に詳しい米シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所」シニアフェローのデズモンド・ラックマン氏に見解を聞いた。【聞き手・ワシントン浅川大樹】
貿易収支の改善を重視するトランプ米政権は、(米企業の輸出に不利に働く)他国が通貨安になることを望んでいない。不公正な競争上の優位性をもたらすと考えているためだ。1ドル=160円前後の円相場に不満を抱いていることは明らかだ。実際、ベッセント氏はかなり踏み込んだ発言で懸念を表明している。
円安の一因は、日本の政策金利が米国より著しく低い点にある。米連邦準備制度理事会(FRB)は16日に利上げを決め、円には下落圧力がかかっている。仮に金利を据え置いた場合、外国為替市場で深刻な混乱が生じ、急激な円安進行を招く恐れがあった。円安是正に向けた一歩として、日銀には利上げ以外の選択肢はなかった。
ただ、今回の利上げに限った対応では不十分だ。FRBが年内に追加利上げに踏み切る可能性が高まっている以上、日銀も更なる利上げの示唆が求められる。中東情勢の悪化に伴う原油価格の高騰など経済環境が変化している。物価上振れリスクが高まる中、利上げペースは従来の「半年に1回」より速める必要がある。半年後の利上げではあまりに遅すぎる。最終的な着地点は予想しづらいが、あと数回の利上げは確実だろう。
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