300人以上が犠牲、カスリーン台風から79年 栃木で慰霊祭
利根川水系に大きな被害をもたらした1947年のカスリーン台風から79年の15日、渡良瀬川の決壊などで県内最多の300人以上が犠牲になった栃木県足利市で、慰霊祭があった。
同市で今年7月、短時間集中豪雨による土砂崩れで2人が亡くなるなど夏から秋にかけ全国各地で水害が相次いでおり、参列者は式の冒頭、黙とうし犠牲者の冥福を祈った。
カスリーン台風は敗戦から3年目、占領下の関東地方を襲った。同市でも伊勢町などで渡良瀬川の堤防が決壊、越水し、多くの人々が流された。被災自治会や学校、寺などに協力を求め、被害実態を調べてきた徳蔵寺(同市猿田町)の前住職で、同台風慰霊碑保存協議会会長の源田晃澄さん(83)によると、犠牲者のうち321人については名前(名字だけを含む)が確認できたが、身元不明者を含めると400人を超えるという。
決壊場所近くの左岸側の堤防に建立された地蔵像前で15日に営まれた慰霊祭には、行政や自治会関係者など約50人が参列。源田さんらが犠牲者一人一人の名前と年齢を読み上げた後、焼香した。
当時4歳で、洪水の中、寺の本堂の屋根裏で夜を明かしたという源田さんは「遺族も高齢になり、慰霊祭に出席できず、自宅でお祈りしている方もいる。カスリーン台風は足利の防災の原点。命の尊さを心に刻みたい」と話した。【太田穣】
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