飛鳥美人、四神像を石室で再び 高松塚・キトラ古墳のVR公開へ
世界文化遺産「飛鳥・藤原の宮都」の理解を深めてもらおうと、奈良文化財研究所(奈文研)は19日、スマホのVR(仮想現実)ソフト「バーチャル高松塚古墳」と「バーチャルキトラ古墳」を無料公開する。VRやAR(拡張現実)は構成資産がある明日香村、橿原市、桜井市でも公開しており、奈文研を合わせれば、全19の遺跡のうち10カ所で利用できるようになる。
奈文研のVRはアプリのインストールが不要。明日香村の両古墳で墳丘横に設置した看板のQRコードをスマホで読み込み、オンラインでソフトに接続する。両古墳の壁画は取り外して保存されているが、高松塚は1972年、キトラは83年の壁画発見時の古墳内部を再現した。飛鳥美人や四神像、天文図など国宝壁画を石室にある状態でみられる。古墳を紹介する動画もある。
高松塚古墳を巡っては、文化庁が保存公開施設を建設するため、年4回の壁画公開を今春から休止している。7月に登録された「飛鳥・藤原」で人気の高い壁画ながら、2029年度末まで鑑賞できない事態になっており、バーチャル高松塚はそれを補う手段としても期待される。奈文研の広瀬覚・古墳壁画室長は「石室にある壁画本来の姿をVRで追体験してほしい」と話している。
「飛鳥・藤原」の構成資産は19のすべてが遺跡のため、見せる工夫が求められている。明日香村は世界遺産登録を国に提案する前年の05年、VR・AR「バーチャル飛鳥京」を公開した。桜井市は24年に構成資産・山田寺跡と市内の纒向遺跡の紹介を兼ねた「YAMATO桜井周遊ARガイド」、橿原市は今年3月、「XR(クロスリアリティー)藤原宮」を公開している。いずれも無料で、専用アプリをダウンロードして現地で使用する。【皆木成実】
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