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レスリングと相撲の「二刀流」 慶応大・佐藤、全国体重別に挑む

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レスリングと相撲の「二刀流」 慶応大・佐藤、全国体重別に挑む

相撲とレスリング。その両方でトップレベルの成績を収めているアスリートがいる。慶応大の佐藤秀一郎選手(4年・八千代松陰)は今年、レスリングで23歳以下の日本一になり、相撲でも大阪・堺で30日に開催される「第51回全国個人体重別選手権大会」(毎日新聞社など主催、大正製薬、伊藤園協賛)=全国体重別=の土俵に2年連続で立つ。二つの種目に取り組む理由。そして、今後の目標を聞いた。【大村健一】

7月26日にあった「東日本学生相撲個人体重別選手権大会」。全国体重別の出場権が懸かった85キロ未満級の2回戦。左四つから巻き替えて前に出てきた相手を「首投げ」で仕留めた。レスリングとも共通する技を駆使し、全国で16人だけに与えられる切符をつかみ、「全国体重別は3位以上を目指したい」と意気込んだ。

千葉県船橋市出身。父・秀男さんはレスリングで国体(現国スポ)王者に輝いた経歴を持つ。小学生の頃からレスリング教室に通いつつ、地元の体験教室をきっかけに相撲も始めた。中学3年の時には、両種目で県総体を制した。

高校ではレスリングに専念。大学に進学した際、まわしをつけた学生力士たちから「稽古(けいこ)においでよ」とキャンパスで勧誘された。小中学生のころに土俵で対戦したライバルが慶応大の相撲部にいた偶然も重なり、3年ぶりに土俵に上がった。それ以来、軸足はレスリング部に置きつつ、学生相撲の大会にも出場している。

学生相撲では、部員数が少ない相撲部が、同じ大学の他部のメンバーに協力を仰ぎ、団体戦に出場する場合はしばしばある。しかし、個人戦の大会にも積極的に出場し、しかも結果を残すケースは珍しい。体のケアなど負担は増えるものの、佐藤選手は「自分としては自然なこと」と笑う。

相撲の土俵は、レスリングのマットと比べると反発力が少ない上に滑りやすい。そんな環境で実戦を重ねることで、マットに戻ったときにより強く相手を押し込めるようになった。一方、レスリングで投げ技の鍛錬を重ねてきた成果なのか、まわしをつかむことができる相撲では、技をかけやすく感じるという。

ただ、一気に押し込まれると数秒で終わってしまうところは、定められた試合時間の中で逆転可能なレスリングと大きく異なる。「相撲では、立ち合いで相手をしっかり止め、そこから技の展開を増やしていかなければ勝ち進むことは難しい。まわしをとる技術を磨きたい」と向上心の強さを感じさせる。

レスリングでは、3月のJOCジュニアオリンピックカップ・U23男子フリースタイル97キロ級で優勝。全国の頂点に初めて立った。米国・ラスベガスで10月に開催されるU23世界選手権の出場権もつかみ、さらに大きな舞台でも上位入賞を目指している。

7月の大相撲名古屋場所を制したウクライナ出身の大関・安青錦のように、幼い頃からレスリングと相撲の両方で研さんを積み、大成したケースもあるが、今、佐藤選手が見据える先にあるのは大学院への進学。そこには、複数の格闘技に取り組んでいる佐藤選手ならではの目標がある。

大学で研究しているのは、世界各地の民族に伝わる格闘技。相撲のように、帯を持った形で組み合う格闘技は、アジアを中心に世界各地にあり、その起源を調査している。「似たような力比べが世界にあるのは、とても面白い。その文化的なつながりに興味があります」。研究の原動力は「二刀流」で体感した格闘技の奥深さ。そして、今後も二つの種目でさらなる高みを目指していくつもりだ。

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