亡くなる直前まで講座続ける 人材育成に心血注いだ白川英樹さん
電気を通すプラスチックを発明し、2000年のノーベル化学賞を受賞した白川英樹さん(90)が死去した。温厚な人柄で知られる一方、若者の人材育成に心血を注ぎ、亡くなる直前まで、子どもたち向けの科学講座を科学館で続けていた。
研究者の道は順風満帆ではなかった。大学受験に失敗し、浪人して東京工業大(現・東京科学大)へ。当初は希望の研究室に入れず、助手として下積み生活は13年に及んだ。それでも生前、人生を「回り道をしてきた分、幅広い分野を知ったことが役立った」と前向きに振り返っていた。
ノーベル賞の受賞理由になった「電気を通すプラスチック」は、自身が指導した留学生の偶然の失敗から誕生した。失敗で終わらせずに原因を追究して成果につなげ、有機エレクトロニクスの礎を築いた。
近年の日本の科学技術政策は「成果」を強く求められる。それだけに白川さんは、横道にそれる余裕が失われつつあることを懸念していた。01年から2年間、政府の総合科学技術会議の議員を務め、競争にとらわれない自由な研究の促進を訴えた。
03年からは日本科学未来館(東京都江東区)で「特別実験教室」の講師を務めた。小学生から高校生まで、自身の研究をベースに、丁寧に分かりやすく化学を解説し続けた。
今年7月の教室でも元気な姿だったといい、同館科学コミュニケーション室の桜庭真弓さんは「子どもたちと同じ目線に立ち、常に真摯(しんし)に向き合っていた。感謝してもしきれない」と悼んだ。
【写真】2000年当時 インタビューに答える白川英樹さん 9/3 16:19 白川英樹さんら8人が声明 学術会議法改正に「大きな危惧」 2/22 17:24 「ノーベル賞、今の環境では無理」 白川英樹さんが訴えた大学の危機 2/13 18:28 ノーベル化学賞の吉野さん、「ポリアセチレン」使ってリチウムイオン電池開発 10/18 21:55 ノーベル賞すれすれだった89歳数理工学者が語る「AIの脅威」 11/29 05:00 犬の認知症緩和にミカンの皮の成分 イグ・ノーベル賞受賞者らが実証 11/10 17:00 あわせて読みたい この記事の筆者 荒木涼子
この要約はメディアの公開フィードから5Newsが集約したものです。 文脈も含めた全文はmainichi.jpにあります — コンテンツの権利はMainichiに帰属します。