無形文化遺産「妙見祭の神幸行列」中止 熊本地震の影響「苦渋」
熊本県八代市の秋の風物詩で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産の八代妙見祭の神幸行列が、熊本地震の影響で今年は中止されることが決まった。八代神社などが3日、発表した。市民生活が復旧途上で、神社や行列経路の被害も大きいことを踏まえ「苦渋の決断」としている。主要行事の神幸行列が通常開催できないのは、新型コロナウイルス禍で中止・縮小した2020、21年以来。神事などの一部は例年通り行う。
八代妙見祭は毎年11月に開かれる八代神社の秋の大祭で約390年の歴史がある。神幸行列は、笠鉾(かさぼこ)や神馬、亀蛇(きだ)(亀と蛇を合わせた想像上の動物)などの出し物が八代市内中心部を練り歩く。国の重要無形民俗文化財に指定されている他、16年に日本の「山・鉾・屋台行事」の一つとしてユネスコ無形文化遺産に登録された。
熊本地震で八代市内では、多数の住宅が倒壊するなど甚大な被害が発生。八代神社も楼門などが倒壊し、境内の直下にあるとみられる断層に沿って地割れや最大約70センチの段差が生じた。神幸行列中止に伴い前夜祭とユネスコ登録10周年行事も中止する。
八代市内で記者会見した八代神社の小林雄彦(かつひこ)宮司は「こういった時だからこそ祭りをしてほしいという声もある中で、苦渋の決断だった。来年こそは通常の祭りができるよう頑張っていきたい」と述べた。八代妙見祭保存振興会の宮崎浩二会長は「大変残念だが、復旧復興の一助となるような代替事業の検討を進めたい」と語った。【中村敦茂】
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