AI活用で被爆者と疑似対話 体験継承、26年度中に本格稼働へ
人工知能(AI)を活用した「被爆証言応答装置」で被爆者と疑似対話する体験会が23日、北九州市小倉北区の市平和のまちミュージアムで開かれた。8~69歳の市民ら16人が参加した。
装置は、被爆者の高齢化が進み「被爆者がいなくなる時代を見据え」、体験の継承の手法の一つとして広島市が製作、2025年に完成した。広島原爆の被爆者5人に200超の質問に答えてもらい、動画を撮影。現在、26年度中の本格稼働に向けた「実証体験」を重ねている。
この日はまず、広島市の担当者が、AIが質問を分析し適切と思われる回答を選択、動画を再生する仕組みなどを説明。参加者は、男女5人の中から選び、スクリーンに映し出された等身大の被爆者に向かって「被爆時の家族の状況は」「後遺症は」「語り部を始めたきっかけは」などと質問し、疑似対話を体験した。
「一番つらかったことは」との質問に、女性の被爆者は、医師も薬も不足する中、全身やけどの同級生らを看病し「天ぷら油を塗ってあげるだけで次から次に死に、この手で火葬しなければなかった」と涙ぐんだ。また「後世に伝えたいことは」との問いに「広島の悲惨さ。核兵器を使ったら人類は滅亡する。私は先がないので若い人に伝えてもらいたい」などと答えた。
参加した小倉日新館中3年、水口陽凪(ひな)さん(15)は「目の前にいるかのように話してもらえたのがすごいなと思った」と話した。また被爆者の話を聞いた経験がある小倉南区の中尾倫子さん(46)は「本人と対峙(たいじ)すると、つらい話は質問しづらいが、答えてくれると分かっているので聞きやすい」と話した。
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