有機ELディスプレイを30カ月・8000時間にわたってわざと焼き付きやすい状態で使い続けるとどうなるのか?
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有機ELディスプレイは鮮やかな色彩や高いコントラスト比が魅力ですが、同じ画像を長時間表示し続けると画面に跡が残る「焼き付き」が弱点として知られています。海外のテクノロジーメディアTechSpotが有機ELモニターを30カ月間にわたって意図的に焼き付きやすい条件で使い続け、累計8000時間に達した時点での検証結果を公開しました。 The OLED Burn-In Test: 30-Month Update | TechSpot https://www.techspot.com/article/3178-oled-burn-in-test/
有機ELディスプレイは画素自体が発光する仕組みを採用しており、バックライトを使用する液晶ディスプレイと比べて深い黒を表現できます。一方で、特定の画素を長時間発光させ続けると劣化が進み、画面を切り替えても以前の表示内容がうっすら残ることがあります。 TechSpotのモニター専門レビュアーであるティム・シーサー氏は、仕事用の液晶モニターを有機ELモニターに置き換え、普段と同じ使い方を続ける実験を開始しました。検証に使用したのはMSIの32インチ4K有機ELモニター「MPG 321URX QD-OLED」です。QD-OLEDは青色の有機EL発光層と量子ドット技術を組み合わせたディスプレイで、色鮮やかな表示を特徴としています。
シーサー氏は毎日8~10時間にわたってブラウザや表計算ソフト、画像編集ソフトなどを使用。画面の明るさは約200ニトに設定し、ダークモードへの切り替えやタスクバーの自動非表示といった焼き付き対策も行いませんでした。 また、有機ELモニターには画素ごとの劣化の差を調整する「パネル補正機能」が搭載されています。MPG 321URXでは4時間ごとの実行が推奨されていますが、検証では作業終了後にモニターがスリープした際にのみ実行。30カ月間での実行回数は865回となり、推奨回数の約半分にとどまったそうです。
画像処理で焼き付きを強調するとこんな感じ。シーサー氏は左右に2つのウィンドウを並べて作業する習慣が原因と分析しています。ウィンドウを表示していた左右の領域が劣化する一方、境界線に当たる中央部分の劣化が比較的少なかったため、中央に明るい線が浮かび上がるようになったというわけ。タスクバー部分も焼き付きが発生しています。
焼き付きは時間の経過とともに少しずつ目立つようになりましたが、劣化が急激に加速する様子は確認されませんでした。ただし、30カ月経過時点では暗い灰色の背景だけでなく、真っ白な画面でも中央の縦線がうっすら見えるようになったとのこと。 画面を構成する赤・緑・青の発光成分にも違いが見られました。最も劣化が大きかったのは緑色で、次いで青色、赤色の順でした。緑色の劣化が大きくなった理由は不明と述べられています。
また、画面全体の色合いにも変化が生じました。白色の色温度は購入直後の約6440K(ケルビン)から30カ月後には6292Kへ低下し、わずかに暖色寄りになりました。
さらに最大輝度を測定したところ、使用開始時の243ニトから231ニトへ低下していました。約8000時間の使用によって明るさが約5%失われた計算です。シーサー氏は明るさの低下が直近12カ月間に集中している点を指摘し、今後も使用を続けることで輝度の低下がさらに進む可能性があるとしています。
一方、左右にウィンドウを並べる通常の作業では中央の縦線がウィンドウの境界と重なり、タスクバーの焼き付きも普段のタスクバー表示に隠れているため、実際の作業中には焼き付きが目立たない場面も多かったそうです。ただし、画像編集ソフトを全画面表示した際などには縦線が気になるようになったとのこと。 8000時間という使用時間は週40時間の仕事で約4年分に相当します。シーサー氏は「タスクバーは暗い一方、日常的に使用するアプリケーションは主に明るい色調で、画面の劣化に差が生じることで焼き付きが目立ってしまっている」と述べ、ダークモードを使って画面内の明るさの差を小さくするほか、離席時にモニターをスリープさせる方法が焼き付き対策として有効だとしています。
シーサー氏は「ほとんどの購入者にとって有機ELの焼き付きは大きな懸念事項ではないと考えています」と述べており、今後も検証を継続して数カ月後に新たな結果を公開する予定とのことです。 今回検証で使用されたMPG 321URX QD-OLEDは記事作成時点ではAmazonにて税込14万4800円で販売されていました。 Amazon.co.jp: MSI QD-OLED ゲーミングモニター MPG 321URX QD-OLED 31.5インチ : パソコン・周辺機器
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