もっと社会人野球:JR四国の「虎太郎」 コロナで諦めかけた野球で今、目指すもの
本塁打を放つと雄たけびを上げ、ピンチになると人懐っこい笑顔で投手に駆け寄る。第97回都市対抗野球大会(東京ドーム)で、27日第1試合の名古屋市・東邦ガス戦で初戦を迎える高松市・JR四国の内野手、山田虎太郎(こたろう)選手(23)はとにかく明るい。
2年目ながら中軸を担い、欠かせない存在に。そのユニホームはいつも泥だらけで生き様が詰まる。だが、世界中を混乱に陥れた新型コロナウイルス禍では、表情が曇り、野球を諦めかけたこともあった。恩師の尽力、JRの横のつながりでたどり着いた瀬戸内。今、白球を追う喜びを体全体で表現する元気印に迫った。
埼玉県朝霞市出身。父親がプロ野球・阪神の熱狂的なファンだったことから「虎太郎」と名付けられた。鳥谷敬さんの大ファンだった少年は夢中になってボールを追いかけた。
決して目立つ選手ではなかった。中学時代は控え。当時、甲子園出場経験がなかった浦和実高では2年の新チームになって、ランナーコーチとしてベンチ入りするのがやっとだった。
転機は高校3年。新型コロナウイルスの感染拡大で、戦後初めて夏の全国高校野球選手権大会が中止となった。全国で独自大会が開催される中、埼玉県は例年より1カ月ほど遅れての開幕だった。通常なら3年生は引退の時期。進学や就職に向けてチームを離れることも認められた。
主力数人は先に部を離れたが、山田選手は「このままでは後悔する」と残った。監督には「どこのポジションでもいいので使ってほしい」と懇願。部活動が制限された自粛期間中、自主的に鍛えていた脚力に自信があった。
練習試合で結果を残し、背番号7をつけて独自大会に挑んだ。浦和学院に敗れた南部地区決勝までの全5試合で「1番・左翼手」で先発出場した。打率4割超をマーク。ドラフト候補の投手からも安打を重ねた。
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