裁判Plus 司法のリアル:小4の息子に「5年の命」の宣告 エイズと闘った母が破った沈黙
1996年3月29日。非加熱血液製剤でエイズウイルス(HIV)感染した患者らが国と製薬会社に賠償を求めた薬害エイズ訴訟は、山場を迎えていた。
「人間らしく生きていきたいんです」と語る男性に、菅厚相が「自信をもって生きていけるよう約束します」と応じ、説得に当たったと当時の新聞記事は伝えている。
「本音は一人一人の状況に照らして解決を求めたい。そうすると、裁判が長引く」。法廷の傍聴席にいた杉山千波さん(73)も苦渋の選択で和解を受け入れた原告の一人だった。
杉山さんの長男、信一さんは血友病の患者だった。血を固めるたんぱく質「凝固因子」が不足し、血が止まりにくくなる先天性の病気。1歳10カ月の時に診断された。
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