みんなの高校野球:DHの打順、最適解は? 夏の甲子園はセンバツと異なる傾向
全国高校野球選手権大会は、出場した全49校が初戦を終えて、指名打者(DH)制は8割超の40校が採用した。甲子園大会で初めて採用された今春の選抜大会は、DHを使ったチームのうち約8割が6番以降の打順だったが、今夏は約4割へと半減し、上位打線でも満遍なく使われている。
春は出場32校のうち26校が初戦でDH制を採用し、その比率は8割超で今夏とほぼ同じだった。最も多かった打順は6番の9校で、7、8番は各5校、9番は2校。1~5番での起用は計5校にとどまり、合わせても2割に満たなかった。
今夏も打順としては6番が最多だが、40校のうち7校と突出はしていない。3~5、7、8番は5校、1、2番は4校で、大きな差はなかった。一方、9番で起用したチームはなかった。
そのうちの1校、大分商は1回戦で最速150キロ超のエース右腕・平田玲翔(れいと)投手(3年)を「2番・DH」で起用した。味方の守備時に投球練習をし、三回からマウンドに上がった。
投打「二刀流」で活躍する大谷翔平選手(米ドジャース)の存在がきっかけで生まれた、先発投手とDHを兼任できる通称「大谷ルール」も採用されている。大分商の起用法は「大谷ルール」ではないものの、DH制を継投の面でプラスにとらえていた。
佐賀商は、佐賀大会でチーム2番目に投球回数が多かった溝口童夢選手(3年)を「1番・DH」で起用した。初戦で登板機会はなかったが、味方の守備時に投球練習をし、登板に備えていた。
明徳義塾(高知)の馬淵史郎監督は「ピッチャーが休めるのは大きく、うちは投球に専念している」とし、打力のある投手がいる場合は「大谷ルールを使えるので問題ない」との見方だ。
一方で、大谷ルールで出場した場合、マウンドを降りると再登板ができない。先発投手が打撃を得意とするチームでは、投手が打席に立つ選択をしていた。
太田充監督は「ゲーム展開によって投手に戻すことを考えたときにはDHは使いにくい。相手のレベルが上がってきたときに、再登板ができない状況だけは作らない方がいいと考えた」としている。
打順については個々の選手の特徴や調子も影響するため、一概に傾向を言うのは難しい。ただ、選抜に続いて夏も出場した11校のうち、佐野日大(栃木)と長崎日大の2校は春よりもDHの打順を上げ、春にDHを使わなかった日本文理(新潟)は夏は活用した。
選抜は制度の導入直後だったのに対し、各校とも春や夏の大会で起用法をテストする機会があった。実戦を通じて上位打線まで活用の幅が広がった可能性を、佐賀商の吉冨監督は「あると思う」と話す。
1、2回戦とも「1番・DH」だった仙台育英(宮城)の須江航監督は「DHが上位であるという必要はなく、下位でもいい。カットがうまいDHでも、走塁がうまいDHでもいい」とし、自チームについては「バッターとしての素質と足のある選手であることがかみ合っている」と説明した。【江連能弘】
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