EU首脳会議で米国にICC制裁撤回を要求 域内適用妨げも検討
欧州連合(EU)の首脳会議は16日、採択した成果文書で、米国に対して国際刑事裁判所(ICC、本部=オランダ・ハーグ)への制裁対象指定の撤回を求めた。ICCの活動継続に向けて「あらゆる手段を取る用意がある」とも言及し、米制裁のEU域内での適用を妨げる「ブロッキング規則」の発動検討もにじませた。
文書では、米国の制裁指定に「深い遺憾」を表明。「ICCを守り、制裁の影響を緩和するのに役立つ、あらゆる適切な取り組みを行うよう(行政執行機関である)欧州委員会に要請する」と記した。
米国は9日、赤根智子所長や裁判官など個人に加え、新たにICC本体も制裁対象に指定した。本拠地があるオランダをはじめ、全加盟国がICCに参加し、「法の支配」を重視するEU首脳らの対応に注目が集まっていた。
ただ、成果文書にICCへの支持は盛り込まれたものの、今回の首脳会議での議論の焦点はEUの長期予算や、ウクライナ情勢、移民対策など他の議題で、会議後に記者会見したフォンデアライエン欧州委員長とコスタ欧州理事会常任議長(EU大統領)もICC支援には言及しなかった。
米国は組織運営の維持に関係する業務については180日の猶予を設けており、成果文書は「外交の余地が生まれた」とも指摘。トランプ米政権との正面対決は避け、猶予期間を活用して解決策を探るのが基本路線になりそうだ。【ブリュッセル岡大介】
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