ハンセン病「強制隔離」廃止30年 迫る入所者ゼロ、消えぬ偏見
鹿児島県・奄美大島の中心部から車で約5分。国立ハンセン病療養所「奄美和光園」(奄美市)の居住棟はシャッターの閉まった空き部屋が目立っていた。
2025年に入所者3人が亡くなり、全国13の国立療養所で最少の6人が暮らす。最高齢は92歳。「入所者ゼロ」となる日が最も近い療養所と言われる。
一方で和光園は「地域医療の要」としての顔も持つ。11年から皮膚科専門医のいる病院となり、一般外来で年間約3000人が受診。完全予約制で、新規予約は1カ月先まで埋まっている状況だ。
和光園で5月に開かれたハンセン病市民学会に登壇した「全国ハンセン病療養所入所者協議会」(全療協)の屋猛司(おくたけし)会長(84)は訴えた。
かつて、患者を強制隔離する場だった療養所。ハンセン病は「らい菌」による慢性感染症で病原性は低かったが、国は明治時代から隔離政策を開始。戦後に化学療法が確立しても、根拠法の「らい予防法」を1996年に廃止するまで約90年間、隔離を続けた。
国は09年、ハンセン病問題基本法を施行した。療養所の地域開放も盛り込まれ、各地の療養所は人権を学び共生する場などの将来構想を検討。保育所や福祉施設の誘致が進んだ。和光園はその最たる例だ。
静岡県御殿場市の「駿河療養所」は10年、福祉施設の整備を計画したが、山中の園までは市街地からバスが通っていないなど交通の便の悪さが影響し、難航。市や入所者自治会が計画の見直しを協議している。
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